Love gives everything graphic

シャローム5月 国際連帯の日の省察
≪平和と連帯/あわれみ≫
ノートルダム教育修道女会 2022年5月

Peace and Solidarity/Compassion                     May 2022

導 入
今日の世界は、痛み、苦しみ、強制的移動、死を引き起こす数多くの戦争に脅かされています。少し例をあげるだけでもウクライナ、イエメン、ミャンマー、エチオピア、シリア、スーダンなどでの戦争があります。会憲はこういった最も困難で、残酷な現実に直面している人々のニーズに預言的に応え、連帯するようにと励ましています。「自由になり、御父に信頼することによって、私たちは心を開いて人々と接し、希望なきところに希望をおき、欠乏を受け入れ、不安を喜び迎える。」(会憲16)会憲からのこの引用句は、本会の姉妹も戦争の現実に直面している今この時、特に私たちの生き方に、具体的方向付けを示すものです。戦争の残酷さに直面し、私たちが日々の生活の中で会憲のこの側面を生きようとするとき、私たちは安全地帯から離れ、あえて思いもよらない方法で大胆にニーズに応えるよう、促されるのです。(一般指針36、37)

祈りへの招き

ああ神さま、この世の中で
あなたと離れては何も起きません
世界の歴史の中の
重要な出来事の中であっても
私たちの個人の生活の中でも。
時々「父よ、あなたのみ心が行われますように」と祈ることが難しいです。
時にはただ希望し、敬愛し、信頼しながらじっと黙っているだけしかできません。
しかしいまだに、いかなる苦しみも空しくはなく、無駄な苦しみはなく、重要でない質問や疑問はないと
知ることに力があります。
偉大な神であるあなたは、すべての闇を
光へ向けてくださいます。
そしてもし、そのすべての後でも
私たちがまだあなたのためにどんな言葉も見つからないなら
あなたは私たちの沈黙と私たちの涙を受け入れてくださいます。

(マザーテレジアの祈り「あなたである神」より)

【体 験】
私はボランティアとして、ウクライナとハンガリーの国境地帯にある「カリタス援助拠点」で働きました。そこで3歳の息子シモン君を連れた30歳の女性に出会いました。2人は朝到着して、1時間後にはイスラエルへの旅を続けました。そこにいる間、かれらはわずかな食事をし、洗面所を使ったぐらいでしたが、私はシモン君とはすぐに親しく話せるようになりました。どこにチョコレートがあるかを教えてあげたことがきっかけでした。シモン君はいつもニコニコしていて、周囲の厳しい状況は分かっていないようでした。
一方母親の目は、深い悲しみと絶望、苦しみを湛えていました。彼女はハンガリー語が話せず、私はウクライナ語が話せませんが、2人がバスで去るまでには、私たちは互いを深く理解できていたと思います。彼女は目に涙を浮かべて私を固く抱き締めました。それ以来、この若い女性の表情とシモン君の笑顔が、いまだに私の心を大きく占めています。

【省 察】
抑圧、不正義、人を弱い立場に追いやること、恐れ。これらすべては、戦時の特徴です。そして、それら一つひとつは、人間関係の中にも潜んでいます。それらは、私たちに、自分自身の在り方を省み、私たちを取り囲む戦争や冷戦に気づかせてくれます。歴史は、ひとりの圧制者や暴君なしに、抑圧は起こらないということを明らかにしてきました。同時に,一人の恐れている人なしに、恐れはありません。なぜ、貪欲や憎しみが人間の心に引き継がれるのでしょうか。が苦しみ、いのちの荒廃に向かい合うことの中で、どのように人々はやり抜くことができるのでしょうか。

これらの問いに答えられるのは、イエスだけです。「イエスは、暴力や不寛容を醸し出すようなことは決してなさいませんでした。ご自身が、他者に己をお汁蹴るために力を用いることを公然と非難しました。『あなたがたも知っているように、異邦人の間では支配者たちが民を支配し、偉い人たちが権力を振るっている。しかし、あなたがたの間ではそうであってはならない。』(『兄弟の皆さん』、238の中でのマタイ20:25-26)イエスはもっと先にさえ進んで、7の70倍ゆるすことができるよう求めます。圧制に攻撃的な反応をするのではなく、神への優しい信頼を提供します。イエスは十字架の上でご自分の使命を果たされる前に、ひとつの霊を与えてくださいます。「苦役を課せられて、かがみ込み 彼は口を開かなかった。屠り場に引かれる小羊のように 毛を切る者の前に物を言わない羊のように 彼は口を開かなかった。」(イザヤ53:7)復活の後、弟子たちが恐れのために戸を閉じて一緒にいた部屋に入る時、この彼の最初の言葉がありました。「あなたがたに平和があるように:」(ヨハネ20:19)
1. 私たちの共同体、都市、国の中で私たちを取り囲む戦争や冷戦は何でしょうか。
2. 私の共同体、環境、使徒職の中で、私はどのように非暴力の道を学び、平和の促進者になることができるでしょうか。
3. 圧制者を嫌うことではなくゆるすために、他者をゆるすことから私を妨げない、あわれみ深い心を創り出すために、何が私を助けてくれるでしょうか。
4. 平和のために、私は、どんな犠牲/克己を、すすんで行いたいと思うでしょうか。

【行 動】
個人的な省察の後、自分の共同体の中で何ができるか考えてみましょう。いくつかの可能性をここにあげておきます。
 定期的に祈る―私たちが派遣されている人たちとともに―平和のために。
 「国際カリタス」を支援する方法を見つける。
 自分が戦争をうに感じているか、また非暴力的に、毎日の生活の中での連帯において、どのように呼びかけられているかを分かち合う。
 あなたの家を難民のために開くこと
 外国語を教えること、小さい子どもや難民のために、ボランティアの仕事をすること。

結びの祈り:創造主への祈り

人類の父である主よ、
あなたはお造りになったすべての人に、
分け隔てなく尊厳をお与えになりました。
私たちの心に、
兄弟姉妹への愛を目覚めさせてください。
再会、対話、正義、平和の夢を、呼び覚ましてください。
飢えも貧困もなく、暴力も戦争もない、
より健全な社会とより尊厳ある世界を築くために、
私たちを奮い立たせてください。
あなたが一人ひとりのうちに蒔かれたよいもの、
美しいものに気づき、
一致を深め、共通の課題に取り組み、
希望を共有し、きずなを強めるために、
私たちの心が、地上のあらゆる民族と国々に開かれますように。アーメン。
(祈りは回勅『兄弟の皆さん』より)

ハンガリー管区のS.M.サラ・ジェロリー、SSNDが
国際シャロームネットワークのために準備してくださいました
グラフィックデザインは第24回総会指針より。デザイン:修道会のコミュニケーション事務所。