愛はすべてを与える
S.キャッシー・シュミットゲンズ、国際シャロームコーディネーター
S.ローズメリー・ハワースに、最近1人の修練者が、「愛は待つことができない」と「愛はすべてを与える」とを一つにしたメッセージを送ってきたそうです。「愛はすべてを与えることを待つことができない」となったそうです!私たち皆が、この修練者の熱意に倣うことができるでしょうか。
今この時代の挑戦が私たちの目の前にあります。恐れや、不信、暴力に満ちた世界が見えます。時に私たちは、自分には暗闇と戦う力やエネルギーがないと感じてしまうこともあります。けれども、作家クラリッサ・ピンコラ・エステスの言葉を借りれば、「私たちはこの時代のために創造された」のです。
私たちは「今」生きていて、「神の使命」のために「今」捧げられています。私たちは、「今」の時代を変えることに呼ばれているのです。総会指針は、私たちが、「待ってきた人たち」(ホピ族の長老たち、2000年6月8日)になるためのプログラムを提供しています。
- 「福音的清貧」をしっかり自分のものにすることは、私たちに、危険を冒し、変えられることを受け容れる自由を与えます。
- 「三位の神」についての理解を深めることは、私たちの関わりの全てを正しい関係の中に置く助けとなります。
- 真の共同生活は、私たちが勇気を奮い敢えて何かに取り組む時、必要な支えを提供します。
- 多文化的であることの理解への成長は、「イエス・キリストがそのために遣わされた一つにすること」へと私たちを動かします。
- 他者との協働は、私たちの視野を広げ、よりよい方向へのネットワークを強化します。
- 今日の必要に関する共同の識別は、世界の満たされていない必要のために働くテレジアのビジョンに私たちを再度触れさせます。
もちろん、それは簡単ではありません。たちまち起こらないことも知っています。けれども、テレジアの言葉によれば、「その根はたくましく張りその花はみごとです。」


人権の日
2017年12月10日
S.レナタは、ハンガリーのセゲドの学校でこの日のために30分のプログラムを準備しました。シスターは4つの人権、すなわち、生きる権利、自由の権利、教育の権利、平等の権利を選びました。まず、今日の世界でこれらの権利がどのように生きられているかの現状に触れ、その後、これらの権利を、待降節に結び付けて考える機会をもちました。最後に、生徒たちはこれらの基本的な権利を持たない人たちのために祈り、また、自分が持っているものに感謝することを学びました。それから、各クラスで個人の宿題としてこれらの権利の中からひとつ選びました(たとえば、教育への権利なら、毎日一つの授業を選んで、活発に、熱心に参加する、など。)。ヨーロッパのシャロームニュースレターより
ポーランドのオポーレの若者は、人権についての情報の載っている小冊子をもらい、テーマにちなんだ映画を鑑賞し、人間の尊厳と権利を保護する活動に携わる人々の証言を聴きました。グループ作業と、人身売買被害者のための共同の祈りで教育的な諸活動を終えました。
ポーランドのオポーレの「福者マザーテレジア幼稚園」の子どもたちは、マザーハウスの聖堂に集まり、調和と平和のうちに生き、自分の才能や興味を広げ、家族や国家の善のために働くことができるよう、世界中のすべての人のために共に祈りました。また、すべての人が自分自身と隣人を尊敬するよう祈りました。授業の中では、子どもたちが色とりどりの細長い紙で人権の鎖を作りました。
最近の支部会議
S.キャッシー・シュミットゲンズ、
国際シャロームコーディネーター
北米支部

北米支部会議は、カナダのオンタリオ州ウォーターダウンで開かれました。 S.ジェネヴェーヴ・カッサーニによる毎日の美しい朝の祈りのおかげで、会合は観想的雰囲気に満ちていました。この会合が行われたのは総会の閉会直後でしたので、新しい総会指針を一緒に見ることが出来たことも大きい恵みでした。シャロームの「焦点と約束」を実行するための北米の計画も、新総会指針「愛はすべてを与える」に照らして改定されました。
各自が文書で用意した報告は前もって送付されていましたので、会合では書面の報告に加えて、更に分かち合いがなされました。省察の時間に続いて、コメントと質問の時間がありました。一同、このプロセスが成長の助けになったことを表明し合いました。会合の間に、ティム・ドゥエインが北米の新支部代表に選ばれました。
S.アイリーン・ライリーは、「持続可能な開発目標」(SDGs)に関して、総会でのプロセスと似た方法を用い、どの開発目標が北米の現状にとって、より大きな重要性を持つかの識別過程をリードしました。
会合のひとつのハイライトは、「毛布の練習課題」と称する、カナダ先住民部族がヨーロッパ人の侵略によって領土や文化を破壊され消し去られた出来事を描いた過程の体験でした。感情に強く訴える体験で、総会指針「愛は全てを与える」の中の多文化性に関する文章がどれほど重要であるかを実感する助けになりました。
アフリカ支部

アフリカ支部の会合は、11月の終わりにケニアのスニャニ にある元アフリカ管区修練院で開かれました。支部の会員らにとって、自分たちの霊的なルーツである元修練院に戻ることは、大きな喜びでした!
シスターたちは、管区を構成する5か国の現状を分かち合いました。シャロームの応答を呼びかける各国の政治的、社会的課題について話すことは、深い内面的体験でもありました。もともとS.ロクサン・シャーレスが会合で話す予定でしたが、この計画は10月に「少しばかり」変更されました。(S.ロクサンが総長に選ばれたからです。)幸い、「セントラルパシフィック管区の日」のためにシスターロクサンが準備した「非暴力」についての話を視聴することができました。話し合いは大変豊かなものでした。
また、「愛は全てを与える」に照らして、シャロームの「焦点と約束」を見直す時間も取り、次の2年間の新しい計画を作成しました。S.ヘレン・ガラディマが、新支部代表に選ばれました。
私たちは、ノートルダム高等学校の生徒たちと共に、主日のミサにあずかることができました。800人を越える生徒たちと一緒に祈ったり歌ったりすることは祝福の時でした。
移住者と難民
S.アイリーン・ライリー、SSND国連NGO事務所の担当者
国連事務総長のアントニオ・グテーレス(右)は、報告の中で「移住のための働きをすべての人に」と題する話をしました。
難民及び移住者の数が世界的に日々増え続けている現状で、国連は、安全で秩序ある正規移住のためのグローバル・コンパクト(訳注:各企業・団体が責任ある創造的なリーダーシップを発揮することによって、移住者が社会の良き一員として行動し、持続可能な成長を実現するための世界的枠組み作りに参加する自発的な取り組み)と並んで、「難民のためのグローバル・コンパクト」を発展させる2年間の取り組みを進めています。両コンパクトは、難民及び移住者に関する国家間の責任をより公平に分かち合う基準を定めることを目指しています。
2016年9月にこの取り組みを始めた時、国連人権高等弁務官のザイド・ラアド・アル・フサインは、国連に集まった各国代表に対して、次のように訴えました。
“何百万という人々が、パタパタはためくキャンプ地のテントにしか自由への可能性を見出すことが出来ません。彼らは子どもたちや持ち物を背負い、何百マイル、何千マイルも歩き続けています。自分や家族が溺死する危険をおかし、ぞっとするような不法入国者一時拘束所に入れられ、釈放されても人種差別や外国人嫌いの人々によって虐待される危険が待ち受けているのです。ここには何の慰めもありません。”
その会合ではじまった取り組みは、一つは難民について、もう一つは移住者についての2つの文書の草稿にまとめられ、この先数か月で完成されることになっています。
この議論から生まれた新たな要素の一つは、「気候難民」という定義の承認です。海面上昇など、気候変動の影響で家を離れざるを得ないケースがその例です。この文書はまた、児童の保護拘留は決して子どもたちのためにならないという理由で、廃止を呼びかけています。加えて、両文書は、強制移住と人身売買との関連を認めています。
この取り組みは、レビ記による私たちの信仰の伝統を思い起こさせます。
「あなたたちのもとに寄留する者をあなたたちのうちの土地に生まれた者同様に扱い、自分自身のように愛しなさい。なぜなら、あなたたちもエジプトの国においては寄留者であったからである。」(レビ記19章33~34節)
力を合わせよう
すべての人の尊敬、安全、尊厳のために
S.アイリーン・ライリー・SSND国連NGO事務所の責任者
「国連力を合わせようキャンペーン」の開始にあたって、国連事務総長のアントニオ・グテーレスは、「私たちが奉仕する人々への義務は、互いへの恐れから、互いの信頼へと共に移行するために働くことです。あらゆる形の多様性は、脅威ではなく貴重な宝です。」と言いました。このキャンペーンに関わる6つの方法についての詳細な情報はインターネットをご覧ください。
12月のニュースレターにありましたように、国連における新しい組織である修道会の連合「修道者の正義の連合」(JCoR)では、修道会が更なる協働の道を探っているところです。11月に私はシャロームの「アフリカ支部会議」のためにアフリカにいましたので、医療宣教者の会のひとりのシスターと私は、修道会の協働への先駆け的取り組みをしました。私たちはガーナに行き、ガーナのSSNDの協力を得て、ケープ・コーストとスニャニの2司教区で、すべての修道者のために2つの研修会を開催しました。男女の修道者らが集まり、「国連持続可能な開発目標」(SDGs)により一層親しみ、これらの目標の評価に自分の国が貢献できる機会について学びました。
平和のための祈りのセンター
北米支部会議では「平和のための祈りのセンター」の力強さについて話し合いました。「平和、正義、被造界の統合」のための修道会の働きは、「平和のための祈りのセンター」の絶えることのない祈りの支えを大いに当てにしています。私たちは、祈りの発電所であるシスター方を励ますために、できることは何でもしたいと考えています。一つの提案は、毎月特定の意向を送り、毎日その意向を思い出してもらえるようにすることです。
もしこれ以外に、祈りのセンターとシャロームの働きのつながりを強めるための提案がありましたら、どうぞ私たちに分かち合ってください。祈りのセンターの担当日は、gerhardinger.orgのホームページに載せています。
シャローム/国連NGOのニュースレターは、ノートルダム教育修道女会が年3回発行しています。
via della Stazione Aurelia 95, 00165 Roma · tel: +39.06.6652.01; fax: +39.06.6652.0234.