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国際連帯の日の省察

社会正義と解放

2024年2月

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初めに

人権、機会、尊厳、生命の保護、教育、持続可能性、連帯、協力は全て、社会正義と解放を求める歩みに密接に結びついています。旧約聖書には、「神は真実で偽りなく、正しくてまっすぐな方」(申命記32:4参照)と記されています。教会の社会教説では、正義の実現は、地上的、超越的な次元において、人間の全面的、統合的な解放を促し、神の国の建設に貢献することを目指していると教えています。

 

祈りの呼びかけ

神よ、何が不正義と抑圧の原因となっているかが見えるよう、私の目を開いてください。

大地と貧しい人々の叫びが聞こえるよう、私の耳を開いてください。

慈しみをもって生きられるよう、私の心を開いてください。

正義と平和に導かれて行動できるように、私の手を開いてください。アーメン

 

体  験

「イエスのマザー・テレジア社会文化センター」での私たちの日々は、今日世界中に蔓延している非人間的で排他的な社会の在り方に逆らうものです。私たちは、社会的にも個人としても困難な状況に置かれている家庭の子どもたち、若者たちをセンターに受け入れています。社会正義と解放に向けての取り組みは容易ではありませんが、一人ひとりの子どもや若者の生活を知ることで、問題の解決に向かう機会ともなっているのです。

 

子どもたち、若者たちは、コンピューターを使っての活動、ダンス、美術、会話サークル、音楽、演劇などによって知識を分かち合い、仲間と共に過ごし、地域社会に貢献することを学びます。そして、それぞれが自分の才能や能力を見出し、成長して行くのです。最も実り豊かな機会は、彼らが輪になって話し合うことです。そこで子どもたちや若者たちは、自分の生活のこと、恐れや夢、家庭や学校、路上などでのつらい体験も友達に話せるようになります。自分の話に耳を傾けて聴いてもらい、アドバイスをもらうことで、困難な状況にあっても再び立ち上がる力を身に付けることができるのです。

 

パンデミックが長引くにつれ、私たちの生活の中では、内面的な葛藤、障害、不安、苛立ち、集中力の低下や暴力がこれまで以上に増大しています。このような中でも私たちは、人間味あふれる行動、人を暖かく迎え入れること、敬意をもって人に接すること、一人一人の個性や限界を理解し受け入れることで、より公平で公正な社会の構築に貢献することが求められているのです。

 

センターは、健全な人間関係の中で生命と成長を尊び、大切にしながら、深い変化の体験を生み出せる環境づくりを目指しています。それは子どもや若者たちが自分らしくいられる場、何かをつくり出して遊べる場、自分の人生を変え、自分にも権利があることを夢見ることのできる場なのです。将来に夢を持てるような、公正で人間味があり、抑圧されることのない世界が可能であることを子どもたち、若者たちが知り、信じることができるよう助ける場にもなっています。

 

私たちの教育活動は、「人が変われば世界も変わり得るとの確信を持って教育にあたる」という理念に基づいています。(YAS、会憲22)

省察

今日の世界が正義に適った人間らしいものとなることを妨げているのは、社会的不正義や抑圧のどのような側面なのでしょう?根本的原因は何でしょうか?この状況に組織的な変化を齎すために、第25回総会の指針と決議事項は、私たちにどのような方向性を示し、どのように呼びかけているのでしょう?私自身が現在使徒職にかかわっている地域、そして広く全世界においても、社会正義と解放のために祈り、行動するよう私を鼓舞する体験やストーリーはどのようなものでしょうか?

 

教皇フランシスコは回勅『兄弟の皆さん』で、不正義の原因を取り除き、社会正義と抑圧からの解放を進める方法について述べています:本質的にこれは、兄弟愛と社会的友愛を持って生きることなのです。私たちが、より公正で、人間的で、解放された世界を創造するために、省察し、対応できるいくつかのポイントを以下に取り上げてみました。

 

  1. 私たちのライフスタイル、関係性、社会の組織、そして何よりも私たちの存在の意味を見つめ直すようにと呼びかけられています。(FT#33)希望は、個人的な快適さを超えるもので、偉大なものへと精神を高めるものです。(FT#55)
  2. もてなしとは、自分の集団を超え出ての人類との出会いです。(FT#90) 人生における霊的なレベルは、人生が価値あるものとされるかされないかを最終的に決める基準である愛によって量られます。最大の脅威は、愛さないことなのです。(FT#92)
  3. 社会的に友愛を生きるとは、民族間で愛をもって生き、出会いと連帯を進めることです。私たちは扉を閉ざしてしまうことはできません。いつでも人が入ってこられる状態でなければならないのです。
  4. 「人類愛」とは、私たち皆がそれを生きるよう招かれている在り方です。人間の尊厳は最も大切なものとして強調され、政治的、社会的、文化的な面で取り組むことが求められています。
  5. 私たちは社会の傷をいやし、平和を構築しなければなりません。それには大胆さと誠実さが必要です。一国の平和の構築にも終わりはありません。全ての人に取り組みが求められています。

実践項目

正義と解放は、イエスの生涯と使命の中心にありました。イエス・キリストの外見、感覚、考え方、行動によって導かれながら:

  1. 社会的不正義や抑圧の状況を3つ挙げ、その原因を特定し、それにどう対処すればよいかについて考えましょう。
  2. 耳を傾け、省察し、祈り、「ラウダート・シ」に照らして、あなたの地元で社会正義と解放をもたらし、組織的な変化の促進に貢献するような具体的実践項目を挙げてください。

終わりの祈り

愛と希望、正義と平和の神よ、「真理を土台に、正義に築き上げられ、愛に育まれ活かされ、自由に守られ実現される」在り方で、時代のニーズに対処し、対応するために、組織変革を進められるよう、私たちを鼓舞し、励まし続けてください。(地上の平和 167)

 

 

シスターレティシア・アントネロ著、ラテンアメリカカリブ海管区、国際シャローム・ネットワークのために作成

グラフィックはジョイエル・プロート(SSND CP)による第25回総会デザインより引用