国際連帯の日の省察

≪人身売買≫

2019年7月

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導 入
Human Trafficking icon

人身売買は、世界中の田舎でも都会でも行われています。あらゆる職業や地位の人々が、何百万人もの女性、子ども、男性の商業的な性的搾取、強制労働、家庭内強制労働、強制結婚、臓器摘出に巻き込まれ得るのです。人身売買の犠牲者の3分の1近くが子どもで、70パーセント以上が女性と女児です。この数字は、これまで知られていた以上に広がっているので衝撃的です。(出典:国連薬物犯罪事務所の2016年人身売買についての世界報告)

祈りへの招き

2月8日の聖ジュゼッピーナ・バキタの祝日と、7月30日の「世界反人身売買の日」は、私たちが、人身売買の犠牲者が置かれている現状への気づきを深め、彼らの人権を守り育てる責任をとるよう呼びかけています。私たちは、人類の間に広がるこの悪の完全な撲滅のために祈ります。私たちの罪のゆるしを乞い、私たちが奉仕をし、愛し、世界を変える力となることができますよう導きをお願いします。アーメン。

 

【体 験】

ナイジェリア南部のエド州は、人身売買で悪名高いところです。エド州全土で売買された犠牲者のほとんどは、様々な理由、とりわけ社会的経済的な理由で移住してきた男女の若者です。犠牲者たちの多くは、ナイジェリア北部を経て近隣国のニジェールやリビアへ公共交通機関で連れて行かれ、そこからヨーロッパ各地に売られて行きます。

 

出発前に犠牲者たちは、1,500ドルを支払うよう要求されます。旅の前に全額を支払えない者は、旅行のために取りあえず何がしかを支払って出発しますが、リビアに着く時には支払いを済ませなければなりません。犠牲者の証言によると、支払えない者たちは、不当に処罰されたり、虐待されたり、リビアの奴隷市場でたった400ドルで競売にかけられたりすることになります。

 

犠牲者たちはまた、リビアで支払いが完了できない女性移住者らが、どれほど性的に搾取され、多方面に送られ、性労働を強要されるかということも話しています。犠牲者たちは、旅のための支払いに同意しているので、彼らを「合意の犠牲者」だと言う人もいます。しかし、彼らは事実を知らされていない「合意の犠牲者」なのです、なぜなら、リビアやヨーロッパへ行く途中で彼らがどんなことに直面するかについて、ほんのわずかか、あるいは全く知らされていないからです。(「ナイジェリアのエド州の人身売買に反対する闘いにさらに広い支援を築く」、2018年7月10日、アフリカ信仰と正義ネットワーク)

 

ガーナのノース・トングの議会議員(MP)であるサムエル・オクデズト・アブラクワ氏は、政府に、子どもたちがガーナのヴォルタ湖で働くために250ドルで売られているというCNNテレビのドキュメンタリーでなされた訴えに応えることを要求しています。その報告は、「ILO(国際労働機構)報告」を引用して、ヴォルタ湖では2万人の子どもたちが奴隷の親方のもとで働いていると述べています。(「奴隷制度:ガーナの250ドルで売買される子どもたちの現状を暴露するCNN報告」、2019年3月3日、ガーナウェブ)

 

この記事の筆者シスター.ヘレンは、人身売買について話は聞いていましたが、2016年まで人身売買に巻き込まれている人に出会ったことはありませんでした。ローマ行きの機内でそばに座ったエシさんと話しはじめ、どこへ行くのかと訊ねると、クウェートへ行くと答えました。今回の旅の手配をしてくれたガーナの代理店で目的地はクウェートだと言われているというのです。さらに、代理店の説明では、クウェートでの仕事は家政婦だということでした。家政婦はどういう仕事をするのかと聞くと、エシさんは知らないと答えました。近くに座っていた一人の男性がその会話を小耳にはさみ、「ちょっと!」と声を上げました。男性は、クウェートへの良く似た旅を経て人身売買の犠牲になった自分のめいの体験を話しました。神の恵みにより、そのめいごさんは家族に救い出され、ガーナの家に戻りました。エシさんは、そのめいごさんの体験について聞いた時、クウェートは自分が思っていたような場所ではなく、代理店が告げた仕事は実際には存在しないということがわかったのです。

 

【省 察】

  • これらの若い女性たちは、旅に出る時、自分が置かれている状況がわかっているのでしょうか。
  • 人身売買は世界にはびこっています。自分の近くのどのようなところで起きているでしょうか。
  • 一般社会が人身売買の現状を知るために、教会、学校、一般の集まりなどで、この問題についてさらに学びの機会を提供する必要があります。自分が置かれている場では、何ができるでしょうか。

 

【行 動】

  • 人身売買に関わっている人たち、何も知らずに犠牲者にされる人々のために祈りましょう。
  • 若者たちが経済力を身につけるためにどうすればよいかを研究し、そのために行動しましょう。
  • この問題に取り組む地域共同体の活動に参加しましょう。なぜなら、地域共同体が不法移民と人身売買を終わらせるカギになるからです。
  • 地域の、また国際的なソシアル・メディア(インターネット上で参加者が情報を提供・交換・共有して、参加者間のコミュニケーションを活発化させるサービス)を通して、人身売買についての情報を提供しましょう。
  • 人身売買の脅威を終わらせようと働いている団体とつながりを持ち、協働しましょう。

 

結びの祈り

全能の神よ、人を部類分けし、更に悪いことには、自分の人生経験からある人々を締め出している私たちをどう考えておられるでしょう!あなたのすべての子どもたちに、私たちの考えと思いを開いて行くことができますよう助けてください。私たちが他者への愛に成長し、自分たちがあなたの大家族に属する者であるという意識を常に持つことができますように。自分の住む地域の、また世界中の人身売買撲滅のため、この問題を心にかけて調査し、行動することができますように。アーメン。

 

アフリカ管区ガーナのS.ヘレン・ガラディマが

イタリアのローマの国際シャローム事務局のために準備してくださいました

図は第24回総会の総会指針から取りました。デザイン:修道会のコミュニケーション事務所による。

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