19巻, 3号  —   2018年12月

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シャローム国際会議

恵みをたずさえておいでになり、私たちの心をあらゆる不正から清めてください。
福者テレジアの手紙2058番

S.キャッシー・シュミットゲンズ、国際シャロームコーディネーター

何があなたの心を痛めますか。何が神の心を痛めますか。あなたの心の中心に何がありますか。これらは、ミュンヘンのマザーハウスで10月18日から25日まで行われた国際シャローム会議で省察された問いかけのうちのほんの一部です。

支部代表のS.マリアーテレジア・ニップシルド(ヨーロッパ)、S.ヘレン・ガラディマ(アフリカ)、S.フランシーン・ペレーツ(アジア・オセアニア)、S.ローザ・マリア・トローチェス(ラテンアメリカ)、そしてティム・ドゥエイン(北米)が、総評議会のシャローム担当であるS.ジュリー・ラトナー、国連/NGO代表のS.アイリーン・ライリー、国際シャロームコーディネーターのS.キャッシー・シュミットゲンズと共に、今後2年間の「シャロームの焦点と決意」をつくり上げるために会合を持ちました。

福者マリア.テレジアのすぐそばにいることで、毎日が取り分け特別なものになりました。会合は、福者マリア.テレジアのお墓での晩の祈りではじまりました。創立記念日をレーゲンスブルクを訪れ、シュタタムホーフで典礼に与ることで祝うことができました。

「世界の心へ」というテーマのもと、私たちはS.ジュリー・ラトナーより、総評議会が「愛はすべてを与える」によって世界をどう展望しているかの話を聴き、世界の中心部をかき乱しているものを見て、自分たちの心がどうかき乱されるかについて省察しました。

5つの支部からの報告をは、刺激的なものでした。何とかして、会全体のより多くのシスターたちとこの情報を分かち合えればと思っています。

もう一度、世界の中心部を眺め、不正義、偏見、人種差別が野放しになる時にどんなことが起こりうるか、また人間は何をなしうるかということへと目を開くために、ダッハウ強制収容所を訪問しました。私たち一人ひとりが、今日の世界の多くのところで、同じようなことが繰り返されていることに気づきました。

私たち自身のこうした体験や対話の全てを考えに入れ、次の2年間の「焦点と決意」として、以下のことを決めました。

2018年―2020年 シャロームの焦点と決意

三位の神は私たちを、平和、希望、愛の女性として、世界の心へ向かうようにと駆り立てます。福者マリア・テレジアとマザーメリーキャロラインの精神において、私たちシャローム国際ネットワークのメンバーは、会憲、総会指針「愛はすべてを与える」、カトリック社会教説に導かれて、次の事柄を決意します。

教育する

  • カトリック社会教説、特に『ラウダート・シ』を学び続けます。

主張する

  • 正義の構造を強化し、不正義の構造を変える努力を促進します。

行動する

  • 平和のための祈りのセンターの働きを促進し、平和への祈りに参加する人の輪を広げる方法を見つけます。
  • 共同体と今日の地球社会の中で、和解する愛を生き、証しすることに一層力を尽くします。

他者との協働において

  • シャロームの中で、国連NGO事務所におい手、ネットワークづくりを強化します。
  • 各地域で、国として、また国際的に、平和、正義、被造界の尊厳のために働いている他の人たちと協働します。
  • 国連と教会のシャロームに関連する国際的記念日を続けて祝います。

いのちの尊厳のために

  • 多文化共生を生きるために必要なあり方や技能を身に付けます。
  • 特に移住者や難民、そして私たちの社会の中で差別されているすべての人の人権のために働きます。

そしてあらゆる被造物への配慮のために

  • 統合的エコロジーを推進する活様式を選びます。
  • 地域の環境にふさわしく、私たちの病み苦しんでいる地球を助ける法制定を励ますような方法で、気候変動を和らげる決定をします。
Peace icon

平和のための祈りのセンター

私たちは、平和のための祈りのセンターについて時間をかけて話し合いましたもっと。これはシャロームネットワークの発電所なのです。この祈りへの参加と関わりを増やすために、できることがあります。次のような提案をぜひ考えてください。

  • 使徒職の同僚やアソシエートを、一緒に祈ることに誘ったり、心を合わせて祈るよう勧める
  • 自分たちはずっと大きな現実の一部であることをシスターたちが気づくよう促す
  • 祈りのカレンダーをホームページ上のもっと目につく、はっきりとした場所におく
  • シスター、同僚、アソシエートを、平和のための自由な祈りへと誘う工夫をする

国際平和の日:9月21日

S.キャッシー・シュミットゲンズ、国際シャロームコーディネーター

「国際平和の日」は、会全体で記念するシャロームの国連記念日の一つです。それは、私たちにとって、大変多くの様々な素晴らしい方法で平和のために行動し、祈る美しい一日です。

今年のその日の活動からほんのいくつか例をあげます。

これらは、ポーランド、ベラルーシ、ハンガリーで「平和の日」祝っている写真です。大人、青年、小学生や小さい子らが、世界の平和の重要性を祈り、学び、祝いました。ベラルーシのS.ナタリーは次のように報告しています。

9月20日と21日に、要理のクラスで、6つのグループに「平和の日」の話をしました。年長の子らは、2年前に私がS.カロリーナと交替して教えるようになった時、「主よ、私を平和の道具としてください・・・」という聖フランシスコの祈りで平和のために毎日祈るよう励ましたことを覚えていたのです。この祈りがノートにはってあるのを見せてくれました。とてもうれしかったです。

世界人権宣言70周年

S.アイリーン・ライリー、SSND国連NGO事務所の責任者

世界人権宣言(UDHR)70周年を祝う時、人権宣言が本当に「世界のもの」であるなら、私たちは「人権のために立ち上が」らなければならないということを思い起こさせられます。

国連(UN)が最近提供した研修会で、参加者は、人権がないがしろにされている時、自分が傍観者ではなく「行動を起こす人」(人権のために立ち上がる人)になるようチャレンジされました。

研修会では「心に訴える物語」と題するオンラインで多言語のフィルムが紹介されました。それは14歳から17歳の生徒たちが、多様性と差別について批判的に考え、自分自身の立場と選びについて考えさせる物語の紹介で構成されています。物語は第二次世界大戦から今日までの広範囲の時代から選ばれています。

移住者と難民のための世界協定

S.アイリーン・ライリー、SSND国連NGO事務所の責任者

12月のはじめに、移住者と難民についての国連世界協定が、ほとんどの国連加盟国によって承認されることになっています。この2つの協定の要点は、移住者と難民に対する責任を各国が分かち持つということです。残念ながら、いくつかの加盟国はこれらの協定に賛同しない選択をしています。

協定は2019年1月に完結し、それから協定を実行に移す取り組みがはじまることになっています。移民や難民に対する責任は、移民と難民を生み出している問題地域の周辺国だけではなく、全ての国で分かち持たなければならないいという認識が、世界中に広がりつつあります。

12月18日の「国際移民の日」に関するいくつかの事実

出典: 国連難民高等弁務官事務所世界情勢報告2017 

  • 現在世界に6千8百50万人の強制的に故郷を追われた人々がおり、その数は増加の一途をたどっています。難民の中で最も多いのはシリア人で(6百30万人)、ついでアフガニスタン人(2千6百万人)、そして南スーダン人(2千4百万人)です。
  • 2017年現在で、トルコ、パキスタン、ウガンダが、世界で最もたくさん難民を受け入れている国です。トルコは現在、3百50万人の難民を(ほとんどがシリア人)、パキスタンでは百40万人を(ほとんどがアフガニスタン人)、ウガンダでは百40万人を(ほとんどが南スーダン人)受け入れています。
  • 4千万人が国内で移住を余儀なくされ、2千5百40万人が難民、3百10万人が避難所を求めています。
    (画像: http://www.unhcr.org/figures-at-a-glance.html)

シャローム/国連NGOニュースレターはノートルダム教育修道女会の年3回の出版物です:
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