国際連帯の日の省察

≪子どもたちの現実≫

2018年11月

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導 入

「愛し愛される体験は、人間の健康的な発達のために欠くことのできない条件である」(ジャーシールド、1971年、319頁、ペレイラ4頁に引用)。

守られ、世話され、愛されることは、人間が生きるために不可欠なことです。私たちは子どもたちを心からの愛をもって迎え、十分に世話をする必要があります。なぜなら、子どもたちは私たちの喜び、祝福、恵み、そして、私たちのさなかに神がおられることのしるしだからです。生まれてくるすべての子どもは、神がいまだに私たちを無条件に愛し続け、この堕落した世界の中にあっても私たちに愛を育むことが出来ると信じておられるしるしだからです。子どもたちが暴力の対象になったり、道端で、或いは自分の家の中でさえ見捨てられる危険にさらされることがないように、子どもたちを大きな愛で迎えることが必要です。「愛ある幼年時代が、より安全な社会を生み出す」(ブラジルの鍵となる資料、Rede de Maos Dadas)からです。これが、私たちが子どもの幸福に深くかかわっている理由です。子どもたちは私たちを必要とし、より良い世界への私たちの希望なのです。それは、私たちにかかっているのです。まだ間に合う内に、子どもたちを救わなければなりません。

祈りへの招き

ちょうど弟子たちがしたように、私たちもよく子どもたちがイエスに近づき、豊かないのちを受け、幸せであり、子どもらしく生き、善に近づくことを妨げています。路上や自分の家の中でさえ、子どもたちは放置されたままです。非常に多くの子どもたちの苦しみに気づかない私たちの鈍感さをおゆるしください。

【体 験】

私たちがよく知っているある先生が、近所に住んでいる家族の3歳から12歳の5人の子どもたちが毎日恐ろしい体験をしていることを目撃しました。その子どもたちは、ブラジルの北東部、パライバ州の奥地であるカジャゼイラス市のエスペランサ地区に住んでいました。

両親は麻薬常習者で、子どもたちを平手で打ちのめし、「おまえらは役立たず」とか「おまえらは親を怒らせるためだけに生まれた」などという表現で、言葉でも虐待しました。子どもたちは、家の中でじっとしていることを強いられました。両親は麻薬を使うためにしばしば出かけ、母の方がもっと頻繁に出かけました。父が家に戻った時母がいないと、父は子どもたちを殴りました。母が家で家事をしていないからです。しかし両親が家にいて、経済的な問題を議論しはじめる時は、もっと悪いのでした。父は母に家に金を持ってこいと強いました。持ってこられなければ子どもたちの前で母をなぐるのでした。おまけに、母も麻薬常習者たちを家に連れて来て、子どもたちの前で麻薬を使うのでした。

こういうことはよく夜中に起きました。自分を守ることのできない子どもたちは、家を出て街をさまよいました。この恐ろしい状況を逃れて安全に休めるところがないからです。子どもたちは、両親から親としての責任を取ってもらえず、無視され軽蔑され、何のサポートも得られませんでした。

2018年8月18日、カジャゼイラス。

【省 察】

この例にも示されるように、機能不全家族、社会的経済的不平等、このような状況に対応する公的施策の欠如、またはあっても機能していない施策、社会の必要に対する為政者の無策と言った恐ろしい悪の中で、どれほど多くのブラジルの子どもたちが苦しみ、生存の危機にさらされているかがわかります。

「ですから、子どもたちや思春期の若者たちの脆さを保護すべき人たちがまさにその子どもや若者を脅かす元凶だという現実の中で、どのように問題の解決策を見いだすかが課題です。・・・子どもたちが目につかない所では保護されませんが、子どもたちを見えるところに置くことと、彼らを放置して自分勝手にさせることとは同じではないのです。」(シエラ、2006年)

「こういった状況は・・・社会的ネットワークの弱体化と関係しています。社会的弱者である子どもや若者は、社会的不平等、貧困、社会的排除、家族や他の社会的交わりの場において愛による絆に結ばれていないという現実の否定的結果に苦しんでいる人たちなのです・・・」(ペレイラ、2009年)

私たちが子どもたちを愛し、世話をし、心にかける時、一人ひとりが内に「天の国」の秘密を隠し持っていることを知るようになります。これは、公正で平等な世界を造るために大いに必要なことで、そのような世界では、すべての人が幸せで必要なものに欠けることがありません。

天に向かって叫んでいるこの状況に私たちが直面する知恵と勇気を神に願い続けますように。大胆さと希望をもって、愛が優先される世界のために戦いましょう、なぜなら愛は待つことが出来ません。そして愛は、救いと贖いのために全てを与えるからです。子どもたちの尊厳への深刻な侮辱に対してただ落胆している場合ではありません。

【行 動】

  • 多くの子どもが経験している無力さと、まともに取り合ってもらえない状態にあることが、彼らに与えている影響を学び、考え、深く思い巡らすために時間をとりましょう。
  • 難民の子どもが成長するのを支えるため、他の色々な団体と提携し、教育のワークショップを企画したり、連帯の運動を組織するなどの行動を起こしましょう。
  • 子どもたちの成長と幸せにとっての家族の役割を支え、明確にしましょう。

結びの祈り

恵みと真理に満ちた愛する神よ!憎まず、破壊せず、心に悪の重圧を担っていない無垢な子どもたちをお守りください。子どもたちが平和と安全、両親の愛、家族と私たち皆の保護を体験しますように。子どもたち、とりわけ暴力の犠牲者であり、家族のメンバーからたたかれ、両親が麻薬を使い続けるために食べ物とお金を物乞いし、或いは盗みを働くことを強いられている子どもたちを守ってください。最も弱い立場にあり、危険にさらされても心にかけてくれる人、助けてくれる人が誰もなく、街をさまよう子どもたちの世話をしてください。これを、私たちの主キリストによってお願いします。アーメン。」

参考文献

Pereira, S. E. F. N., 2009. Crianças e adolescentes em contexto de vulnerabilidade social: Articulação de redes em situação de abandono ou afastamento do convívio familiar. (pdf online)

Sierra, V. M., Mesquita, W.A., 2006. Vulnerabilidades e fatores de risco na vida de crianças e adolescentes. São Paulo em Perspectiva, v. 20, n. 1, p. 148-155, jan./mar. 2006. (pdf online)

ラテンアメリカ・カリブ管区―ブラジルのS.イヴォン・ペレイラ・カードーゾが

イタリアのローマの国際シャローム事務局のために準備してくださいました

図は第24回総会の総会指針から取りました。デザイン:修道会のコミュニケーション事務所による。

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